ローマの信徒への手紙 7章4節

ところで、兄弟たち、あなたがたも、キリストの体に結ばれて、律法に対しては死んだ者となっています。それは、あなたがたが、他の方、つまり、死者の中から復活させられた方のものとなり、こうして、わたしたちが神に対して実を結ぶようになるためなのです。(ローマの信徒への手紙 7章4節)

この御言葉を口にするのは簡単ですが、
良心の呵責に悩まされている最中でも
それを正しく理解する者はさいわいです。
その人は、
罪が襲いかかり、律法が責め立て、恐怖に陥れようとするときに、
次のように言うことでしょう、
「律法よ、
お前は私を責め立て、
私が多くの罪過を犯したと証言しているが、
それが私に何の関係があろうか?
私は今でも毎日たくさん罪を犯しているが、
その事実が私を動揺させることはない。
あたかも自分の耳が聞こえない者であるかのように、
私にはお前の話は聞こえないのだ。
お前は耳の聞こえない者に語っているわけだ。
私はお前に対してすでに死んでいる。
もしもお前がどうしても罪について私と討論したいというのなら、
私の肉体や僕たちに触れてみるがよい。
それらに対して教えをたれ、訓練し、十字架につけるがよい。
ただし、私自身や良心を悩ませるな。
私自身はお前とは何の係わり合いもないからだ。
私はすでに死んでお前から分離しており、
今はキリストに対して活きているからだ。
この方の御許で私は、もうひとつの律法、
すなわち、罪と律法を支配している恵みの律法の下にいる。
何を通してそうなっているかと言えば、
キリストへの信仰を通してなのだ。
パウロが示している通りに」。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)


このように信仰者は苦難から解放され、その花婿であるキリストの永遠の義を着させていただいているのです。なんと救いの幸せに満ちた結びつきでしょうか!富裕で高貴な聖なる花婿が、貧しく欠点だらけで皆に蔑まれる花嫁を妻として迎え、彼女をすべての悪から解放し、最上の祝福によって祝福してくださるのです。
(マルチン・ルター、宝石箱)

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者