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ローマの信徒への手紙 12章19節

愛する人たち、自分で復讐せず、神の怒りに任せなさい。「『復讐はわたしのすること、わたしが報復する』と主は言われる」と書いてあります。(ローマの信徒への手紙 12章19節)

この神様の怒りと復讐は様々なかたちで実現します。あるときには公的権力を通して、またあるときには悪魔や病気や飢饉や疫病や火事や水害や戦争や敵意や侮辱やあらゆる事故や不幸を通して、それはやってきます。なぜなら、神様は罰するときにあらゆる被造物を御自分の鞭や武器として用いられるからです。
(マルチン・ルター、宝石箱)

マタイによる福音書 5章39後半~41節

だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい。あなたを訴えて下着を取ろうとする者には、上着をも取らせなさい。だれかが、一ミリオン行くように強いるなら、一緒に二ミリオン行きなさい。(マタイによる福音書 5章39後半~41節)

これは、あなたは自分で復讐するのをこらえて苦しみを甘受し、天の裁き主を待ち望まなければならない、という意味です。神様は、この世の公的権力がともすると陥りやすい寝惚けた不真面目な態度で職務を遂行したりはなさいません。しかしここでキリストは、あなたがひどい扱いを受けたときにあなたに沈黙を命じてはおらず、公的権力に苦情を伝えることを禁じてもいません。
 あなたはこう訊くかもしれません、「私にひどいことをした者に対して私が訴訟を起こすのは、私が復讐を要求していることになるのではないでしょうか」。答え、「そのとおり。法律と秩序に基づいて、あなたの隣り人に対して怒りをもたずに行うとき、あなたは正しく行っています。なぜなら、それはあなた自身の復讐ではなく、神様が定められた神様の復讐だからです。それは、誰にも躓きを与えないようにし、各々が自分のものを守るためです」。
(マルチン・ルター、宝石箱)


もしも人殺しが森で、あるいは邪悪なならず者が通りで、私に襲いかかろうとして、私がそのとき警察など公的権力に助けを求めることができない場合には、私は彼らが私を傷つけ殺すままにまかせるべきなのでしょうか?いいえ。なぜなら、公的権力は各人に暴力や悪意から自分の命を守る権利を与えているからです。
(マルチン・ルター、宝石箱)

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者