タグは ‘隣人の罪’

ローマの信徒への手紙 15章4節

かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです。(ローマの信徒への手紙 15章4節)

隣人の罪や弱さを耐えることは、決して些細な十字架や苦しみではありません。それどころか、それはある人たちにとってあまりにも重荷であり、そのため彼らはそれを耐えるよりもむしろ自分にも他の人にも死を望むほどです。このような苦難においても忍耐をもちつづけるために、私たちは聖書によって慰めをいただくべきです。パウロは私たちのために大変ひどく苦しまれたキリストを、苦しみを耐え抜かれた模範として提示しているのです。
(マルチン・ルター、宝石箱)

ローマの信徒への手紙 15章1節

わたしたち強い者は、強くない者の弱さを担うべきであり、自分の満足を求めるべきではありません。(ローマの信徒への手紙 15章1節)

私たちは他人の欠点をいやいやながら耐えています。
そればかりか、
隣人に完全であることを要求しさえします。
それで、
他の人々からすっかり距離を置くことで平和と休息を得、
あらゆるいやなことから自由になろうとする人もでてきます。
これを実行できる力をもっている人の多くは、
隣人を退け、そうすることを自慢し、
「義のゆえに私はそうするのだ」、
などと言い放ちさえします。
その人は、
「悪人たちとではなく、
自分と同じような義なるよい人たちとだけ付き合いたい」、
と思っているのです。
このように振舞うのは、
自分を他の人々よりも優れているとみなしている者たち、
自分は正直な生活を送っており
(他の人々)より多くの恵みを受けていると思いこんでいる者たちです。
彼らは、
自分たちと異なるすべての人々を軽蔑し裁く一方で、
自分たちのことは宝石のようにみなすのです。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者