テトスへの手紙 3章4~7節
しかし、わたしたちの救い主である神の慈しみと、人間に対する愛とが現れたときに、神は、わたしたちが行った義の業によってではなく、御自分の憐れみによって、わたしたちを救ってくださいました。この救いは、聖霊によって新しく生まれさせ、新たに造りかえる洗いを通して実現したのです。神は、わたしたちの救い主イエス・キリストを通して、この聖霊をわたしたちに豊かに注いでくださいました。こうしてわたしたちは、キリストの恵みによって義とされ、希望どおり永遠の命を受け継ぐ者とされたのです。(テトスへの手紙3章4~7節)
洗礼において私たちに与えられた神様の恵みを、パウロは大いに賛美しています。パウロは洗礼を、手や足だけではなく、からだ全体の洗いとみなしています。洗礼は人間全身をいっぺんにきれいにし、幸いな救いに与るものにします。この救いを与り受け継ぐために必要なのは、神様の恵みへの信仰だけです。それは、私たちが自分の善い行いによってではなく、ただただ恵みによって、救いに与り、神様の憐れみを永遠に愛し、純真に賛美し感謝し敬うようになり、また、栄光を求めて自分の能力に頼ったり自分で自分を助けようとしたりはしないようにするためです。
(マルチン・ルター、宝石箱)