神様の御言葉の中で守られることについて

愛する天の父なる神様、
私はあなたに心底から祈ります。

あなたの限りない善性により、
私を強めてください。
御霊によって照らし守ってください。
それによって、私が、
あなたの御子、私たちの主イエス・キリストを明瞭に照らし出す
「救いのさいわいにみちた教え」を、
喜びと感謝を持って理解できるようになりますように。

あなたの恵みは、この教えの中へと、私のことも招いてくださいました。
私は、
おぞましい暗闇の中から、この教えへと導いていただいて、
救われたのです。
あなたのお始めになったこのお仕事と、
あなたの与えてくださった理解とを、
私の人生の終わりまで、
さらには来るべき命と主イエス・キリストの再臨にいたるまで、
どうか守って、また、完全なものとしてください。

アーメン。

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ごらんください、主よ、ここにからっぽの皿があります。
この皿は、自分がいっぱいにみたされるのを心から待ち望んでいます。
主よ、あなたがその皿をみたしてください。

私の信仰は弱っています。
どうか私のことを強めてください。
私の愛は冷えています。
私に燃えるようなやる気を与えてください。
それによって、
隣り人に対する私の愛が真に燃え立つようになりますように。

私には、堅く強い信仰はありません。
時には疑いが頭をもたげてきて、
私はあなたに完全に信頼することができなくなったりします。

主よ、
私を助け、あなたへの私の信仰と信頼を増してください。
私には、あなたの中に私自身の全財産である宝が隠されています。
私は貧しく、あなたは富んでおられます。
あなたは貧しい者を憐れむために来られました。
私は罪深い者であり、あなたは義なるお方です。
私の内にある罪は、川に流れる水のようです。
しかし、あなたの中には完全な義があります。
それゆえ、私はあなたの御許に留まります。
私はそこからいただいてばかりで、
私からそちらの方に何かを提供しなければならない、
ということはありません。

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主なる神様、
もしもあなたが私たちを躓くままに放置なさるならば、
私たちはいったいどのような者に成り果てることでしょうか。
もしもあなたが私たちから御手を取り去るならば、
私たちはいったい何をしでかすことでしょうか。
もしもあなたが私たちを霊的に照らしてくださらなければ、
私たちにはいったい何ができるというのでしょうか。
たちまちのうちに、
学識のある者が子どもに、
有能な者が道化に、
賢い者が愚か者に変わり果てることでしょう。

あらゆる御業と裁きにおいて、
あなたはどれほど畏れられるべきお方でしょうか!
暗闇に不意打ちされないように、
私たちが光あるかぎり光の中を歩むことができるように、
どうかお計らいください。

多くの者は躓き、
恵みに飽きてしまい、
冷たくよそよそしくなります。
それは、
彼らが悪魔にだまされて、
「自分は完全であり全部自分の力でできるので、
何の心配も要りはしない」、
と思い込んで、
怠け癖がつき、
感謝の心を忘れ、
あっという間に以前よりも悪い状態になってしまうからです。

ですから、
どうか私たちが燃える信仰に留まりつづけ、
そうして、
私たちのまことのただひとりの助け主、キリスト・イエス様にあって
日々成長していけるように、お計らいください。

アーメン。

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者