聖礼典からいただく慰めについて

 

聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その1)

主キリストよ、私はあなたに感謝します。
心と口をもってあなたを賛美します。
この世に対峙しつつ、あなたに感謝します。

あなたは、
私に対して憐れみ深く、私を助けてくださいます。
そのようなお方であるあなたが、私の主、私の神様にほかならないことを、
聖礼典である洗礼を通して、私は理解したのです。

愛する神様、
(洗礼を受けようとしている)この子を、
悪魔の支配から助け出し、また、強めてください。
それにより、
その子が、生きる時にも死ぬ時にも、
悪魔に対して勇敢に戦えるようになるためです。

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聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その2)

私の主キリストよ、
私は倒れました。
本当はもっと強くなりたいのです。

あなたは、私たちのために
聖礼典(洗礼と聖餐)を設定してくださいました。
それは、
私たちの信仰がそれによって生き生きとし強められ、
私たちが癒されるためです。
だからこそ、
私は聖餐式に参加するのだし、またこれからも参加したいのです。

主よ、ご覧ください。
ここに御言葉があります。
ここにはまた、私の欠点と病気とがあります。

「仕事で疲れている者、重荷を負っている者は皆、
私のもとに来なさい。
あなた方を元気付けてあげよう」、

とあなた御自身がおっしゃっています。
ですから、私は聖餐式に参加し、自分に助けをいただきます。

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聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その3)

主よ、私は、
あなたをわが家にお迎えするために、ふさわしい者などではありません。
それは確かです。
しかし、今、
私は困り果て、あなたの助けと恵みを慕っています。

あなたは、
私のこともご自分の食卓に招待してくださいます。
そして、私のような失格者にも、
あなたの身体とあなたの血を通して、
私のすべての罪を赦してくださいます。
私は聖餐の聖礼典(サクラメント)において、
あなたの身体を食し、あなたの血を飲みます。

このように約束してくださっているあなたの優しい御言葉を、
私は今聴きました。

他でもなくまさにこの言葉を信頼しつつ、私はあなたの御許に参ります。

愛する主よ、
あなたの御言葉は真です。
私はそれを疑いません。
あなたの御言葉を信頼して、
私はあなたと共に食べて飲みます。

私の上にも、
あなたの御言葉がその通りに実現しますように。

アーメン。

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聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その4)

私の主イエス・キリスト様、
私の不幸、私の悲惨、私の欠点をごらんください。
私は困窮しています。
それなのに、
私はあなたの聖餐という「投薬」に飽きてしまい、
あなたのゆたかな恵みを慕うことすらなくなってしまいました。

最も義しく憐れみ深い私の神様、
あなたを私がひねくれた不信仰と怠惰によって
傷つけたりしないようにするため、どうかお願いします。

主よ、
あなたの恵みを喜んでいただく気持ちと、
あなたの約束への信仰とを、
私の中に灯してください。

私は罪をおかしました。
私は恐れ、疑いにとらわれています。
御言葉を自分に受け入れる勇気さえありません。
私には悪いところがとてもたくさんあるからです。
それゆえ、私は今、あなたの御許に参ります。
どうか私を癒し、慰め、強めてください。

アーメン。

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聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その5)

全能の主なる神様、
私たちはあなたに感謝します。
あなたは、健康を与える聖礼典の賜物によって
私たちを元気付けてくださいました。

今、私たちは祈ります。
あなたの憐れみにより、
私たちがあなたをますます強く信じて、
皆が互いに熱心に愛し合うことができるようになりますように。
あなたの御子、私たちの主、イエス・キリストを通して祈ります。
アーメン。

主イエス・キリスト様、
私はあなたの主の聖餐にあずからせていただいています。
それなのに、私はあいかわらず実を結ばないままでいるようです。
私はまことに大いなる宝をいただいたのに、
主の聖餐は私には効果がないように感じています。

私はあなたに嘆き訴えます。

あなたが私にこの宝を賜ったのですから、
どうか、この宝が実を結び、
隣り人に対してキリスト信仰者としてふさわしく振る舞えるような
「もう一人の私」を私のうちに形作ってください。

あなたの聖霊様によって、
私たちが主の聖餐を心から感謝し、
それを受けるのにふさわしい者として受け、
それが私たちの救いとなるように、
どうか私たちを助けてください。

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聖礼典(洗礼と聖餐)からいただく慰めについて (その6)

私の神様、
私は貧しい罪人ですが、にもかかわらず、私は罪人ではありません。

私は、自分自身の「中」、つまりキリストの「外」では、
たしかに罪人です。
しかし、私の主キリストの「中」、つまり私自身の「外」では、
私は罪人ではありません。
なぜなら、
主キリストが、その尊い血によって、
私のすべての罪を私からきれいに拭い去ってくださったからです。
そう、私は堅く信じています。
そのしるしとして、私は洗礼を受けています。

私は、神様の御言葉によって私の罪から解放されています。
私は、自分の罪から自由になり引き離された、との宣言を受けています。
さらに、私は、
主イエス・キリストのまことの身体とまことの血のサクラメント
(聖餐の礼典)という、確実な恵みのしるしによって、
(霊的な)飢えと渇きを癒していただきます。

私は、自分の罪の赦しを受けました。
愛する主イエス・キリストが、
尊い血の報酬として、罪の赦しを確保してくださったのです。
このことについて、私はイエス様に永遠に感謝をささげます。

アーメン。

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ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者