救いの幸いに満ちた人生の臨終

救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その1)

最愛なる私の神様、
「今」が私に定められた最期の時であるようにあなたが望まれるのなら、
どうかその通りにあなたの恵み深い御心が実現しますように。

最愛なる私の主なる神様、
あなたの御言葉のためならば、喜んで私は自分の血を流します。
あなたはそのことをよく御存知です。
しかし、おそらく私はそうする資格がない者なのでしょう。
どうかあなたの御心が実現しますように。
もしあなたが望まれるのでしたら、私は喜びつつ死を迎えます。

大切なのは一つのことだけです。
すなわち、私の生きることと死ぬことを通して、
あなたの聖なる御名が感謝を受け賛美されるようになることです。

愛する神様、できることでしたら、
神様を畏れる心を持っている、あなたのお選びになった人たちのために、
私はまだ長く生きていたいと思います。
しかし、もしも私の人生の最期の時が来ているのなら、
どうかお好きなようになさってください。
あなたは生と死の主です。

アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その2)

最愛の神様、
あなたが私をこの人生の問題へと導いてくださったのです。
この問題があなたの御言葉と真理に関わるものであることを
あなたは御存知です。

どうかあなたの敵に栄誉や喜びを与えないでください。
さもないと彼らは「お前たちの神はどこにいるのか」などと
尊大にも詰問してくるでしょうから。

救いと健やかさを与えてくれる御言葉に敵対する者どもを粉砕するために、
どうか聖なる御名を光り輝かしてください。
アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その3)

最愛なる私の主イエス・キリストよ、
深き御恵みにより、
あなたは私に聖なる御名の意味を教えてくださいました。
私はあなたを信じ、
天の御父様と聖霊様を信じ、
唯一にして真なる神様を信じています。
あなたは私たち人間と天の御父様との間の仲介者であり、
私たち罪びとのためにその尊い血を流してくださった救い主です。
このことが私に慰めを与えてくれることを、
あなたはよく御存知です。
どうか今私を聖霊様によって助け慰めてください。

主よ、あなたの福音を公に告白したがゆえに
自らの血を流すことになった人たちがたくさんいることを、
あなたは御存知です。
あなたの聖なる御名のゆえに自分の血を流すことができるという恵みを
いただけるように望んでいる私は、
しかしその資格がない者です。
どうかあなたの御心がなりますように!
アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その4)

主よ、あなたは御存知です。
サタンが私をさまざまなやりかたで圧迫しています。
サタンは独裁者や王や諸侯などを通じて私の身体を殺そうとしています。
また、火の矢やおぞましい悪魔的な試練で私の霊を滅ぼそうとしています。
しかし、今まであなたは私のことを
彼らのあらゆる凶暴な怒りから奇跡的なやりかたで守ってくださいました。

忠実なる神様、もしも御心に適うようでしたら、
どうか私のことをこれからも守ってください。
最愛の神様、あなたは不幸な罪人たちの神様です。
彼らは己の困窮を自覚しており、
あなたの恵みと慰めと助けを心から乞い求めています。
「苦労して重荷を負っている者は皆、私のいるここに来なさい。
私はあなたがたを休ませてあげます」(「マタイによる福音書」11章28節)
とあなたが勧めておられる通りにです。
主よ、あなたの勧めに促され、私は御許に参ります。
私はひどく苦しみ途方にくれています。
あなたの恵みと忠実さのゆえに、どうか私を助けてください。
アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その5)

私の愛する主イエス・キリストよ、あなたはこう言われました、
「求めなさい。そうすれば与えられます。
探しなさい。そうすれば見つかります。
たたきなさい。そうすれば開かれます」
(「マタイによる福音書」7章7節)。
この約束通りに、主よ、私がお願いするときに、
金や銀ではなく、強く堅い信仰を私に与えてください。
私が探し求めるときに、
世の愉しみや喜びではなく、
救いと健康に満ちた御言葉を通して、私を慰め元気付けてください。
私が戸をたたくとき、私に開いてください。

世が偉大だとみなすことを私は願い求めません。
そのようなものに頼ってみても、
私自身は髪の毛一本分さえ善い人間になりはしないからです。

どうか私に聖霊様をお与えください。
聖霊様が私の心を照らし、
苦しみの中にある私を強め慰め、
正しい信仰に留まらせ、
おわりまであなたの恵みに信頼しつづけることができるようにしてください。
アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その6)

愛する私の父なる神様、
あなたは私に他の何千もの人々よりも先んじて、
たくさんのすばらしい高貴な賜物をくださいました。
もしもそれがあなたの御心に適うことでしたら、
あなたの聖なる御名への感謝と賛美となり、
あなたの小さな群れの益や慰めとなるように、
私はいただいた賜物をこれからも喜んで用いていきたいと思います。

どうか父なる神様の御心が成りますように。
大切なのは、
私が生きるにせよ死ぬにせよ、
あなたの御名が私を通しても敬われるようになることなのですから。
アーメン。

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救いの幸いに満ちた人生の臨終についての祈り (その7)

天の父よ、私たちの主イエス・キリストの父よ、
あなたはあらゆる慰めの神です。
あなたの愛する御子イエス・キリストを
私に啓示してくださったことを感謝いたします。
イエス様を私は信じています。
イエス様について私は説教し告白してきました。
イエス様を私は愛し賛美してきました。
ところが、
悪玉の法王と悪者たちはこぞってイエス様を迫害し侮辱しています。
天の父よ、私はあなたに祈ります。
どうか私の魂をお受け取りください。
天の父よ、
たとえ私がこの身体を捨ててこの人生に別れを告げなければならないとしても、
私はあなたの御許に永遠にいることができるし
誰も私をあなたの御手から引き離すことはできないことを
私は確信しています。

父よ、あなたの御手に私の霊をゆだねます。
忠実なる神様、あなたは私を贖ってくださいました。
父よ、あなたの御手に私の霊をゆだねます。
忠実なる神様、あなたは私を贖ってくださいました。
父よ、あなたの御手に私の霊をゆだねます。
忠実なる神様、あなたは私を贖ってくださいました。
(Pater, in manus tuas commendo spiritum meum, redimisti me, Deus veritatis.)

(1546年2月18日、この世を去る前のルターの祈り)

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ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者