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マタイによる福音書 12章20節
彼は傷ついた葦を折らず、くすぶる灯心を消さない。(マタイによる福音書 12章20節より)
キリストを正しく知るようになることや、キリストの王国は弱い者や病気の者だけが入っているような「病院」に他ならず、そこには手当ての必要な調子の悪い者や病人が寝込んでいる、ということを知るのは非常に大切です。このことを理解しているのは、福音をもっている者たちも含め、ごく僅かの人々です。これはあらゆることのうちでも最も偉大な知恵です。
(マルチン・ルター、宝石箱)
正義を勝利に導くまで、彼は傷ついた葦を折らず、くすぶる灯心を消さない。(マタイによる福音書 12章20節)
「傷ついた葦」とは、道に迷ったあげく神様を恐れて逃げ出してしまう、か弱く傷めつけられた良心のことです。キリストはこのような葦を足で踏みにじったりはなさいません。それはキリストのやり方ではないからです。それとは逆に、キリストはその葦が折れてしまわないように優しく扱ってくださいます。弱々しくくすぶっている燈芯よ、どんなに自分の中から火よりも煙の方が多く出ているとしても、疑いにとらわれてはいけません!そのような燈芯をキリストは決して消されず、それに火を点すために休みなく世話してくださいます。このことは、理解する人にとっては、大きな慰めです。
(マルチン・ルター、宝石箱)