ルカによる福音書 1章49節

力ある方が、
わたしに偉大なことをなさいましたから。その御名は尊く、
(ルカによる福音書 1章49節)

マリアは特別な恵みの賜物を一々数え挙げたりはせずに、
それらをすべて、
「その方は私に偉大なことをしてくださった」、
というひとつの言葉にまとめています。
これによりマリアが私たちに教えているのは、
「御霊にあって熱心であればあるほど、
用いられる言葉の数は少なくなっていく」、
ということです。
なぜなら、マリアは
自分の考えを言葉によって説明するのはまったく不可能だ、
と感じているからです。
御霊による数少ない言葉はあまりにも大きくて深いので、
同じ御霊をいくらかでもいただいている人以外は理解できません。
(中略)
同様にキリストも、
「祈るときに、多くの言葉を用いてはいけない」、
と教えてくださっています(「マタイによる福音書」6章)。
しかし、不信仰な者たちは、
「祈りの言葉が多ければ、祈りは聞かれる」、
と思い違いしています。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者