ルカによる福音書 5章5節
シモンは、「先生、わたしたちは、夜通し苦労しましたが、何もとれませんでした。しかし、お言葉ですから、網を降ろしてみましょう」と答えた。(ルカによる福音書 5章5節)
これはすばらしい信仰のあらわれです。
ここでのペトロのように
自分の考えにいっさいとらわれずに、
ただ御言葉のみにしっかりとつながることができるなら、
どんなによいでしょうか。
主人が召使に「これをしなさい」と命じて、
召使がその通りにするならば、
主人はそれを喜びます。
たとえ召使が失敗しても、
主人はそれで怒ったりはしません。
しかし、それとは逆に、
もしも召使が主人よりも賢くあろうとし、
「ご主人様、それはだめです。
私も前にやってみましたが、うまくいきませんでした。
だから、私はそうしたくありません」、
などと言うならば、
主人の機嫌を損なうことになります。
それゆえ、
私たちが神様と御言葉に対して
ここでのペトロのように接することを、
神様はすばらしい栄光とみなしてくださいます。
そして、
たとえ理性がいまだに私たちを他のほうに向かわせようとしても、
私たちは立ち止まり、こう言うのです、
「理性よ、お前はあちこちに揺れ動いているが、
ここに神様の御言葉と戒めがあるのだ。
そこに私はとどまりたい。
そして、こうして御言葉にとどまれるならば、
私たちの主も天の御使いたちも皆喜んでくださるのだ」。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)
ペトロのように
一晩中仕事をして何の成果も得られないときには、
試練に遭うものです。
そういうことがあると、
私たちはすぐに心配になり、
愚痴をもらし、忍耐がなくなり、
「全部を放り出してどこかに行ってしまいたい」、と考えるものです。
しかし、私たちはこのような試みに隙を与えずに、
絶えず与えられた仕事を忠実に果たし、
仕事の成果については神様御自身にお任せしましょう。
なぜなら、私たちは、
御言葉に忠実な善良な義なる人々が何をやってもうまくいかないことを、
しばしば目にしているからです。
しかも、それとは逆に、
神様に反抗している悪い人々が
すべてにおいて彼らの希望通りに成功したりしています。
しかし、このような状態は長くは続きません。
はじめに失敗した人はしまいには成功し、
はじめに成功した人はしまいにはうまくいかなくなるからです。
あなたが不遇な目にあう場合には、
忍耐をもって仕事を続け、疲れ切ってしまわないようにしなさい。
御言葉への忠実を貫いて失敗するほうが、
御言葉を無視して成功するよりもよいことだからです。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)