タグは ‘主の祈り’

マタイによる福音書 18章19節

また、はっきり言っておくが、どんな願い事であれ、あなたがたのうち二人が地上で心を一つにして求めるなら、わたしの天の父はそれをかなえてくださる。(マタイによる福音書 18章19節)

主の祈りが教会にとってどれほど強固な防壁であり、神様を畏れるクリスチャンにとってどれほど強力な武器であるかは、恵みと祈りの御霊をいただいているクリスチャン信仰者だけが知っています。死も逃げ去るほどに、クリスチャンたちが互いのために一緒になって祈り、力づけられるために、主の祈りは人々をひとつにし、互いに結びつけます。
(マルチン・ルター、宝石箱)

マタイによる福音書 6章13節

わたしたちを誘惑に遭わせず、悪い者から救ってください。(マタイによる福音書 6章13節)

神様が誘惑自体を取り除いたり無くしたりはされないにせよ、私たちに誘惑と戦う力と強さを与えてくださるのは、誘惑へと引き入れることとはちがいます。私たちがこの身体のうちに生き悪魔が近くにいる限り、誘惑に陥らない者はひとりもいないからです。事態は変わりようがありません。私たちは誘惑に苦しまなければならず、誘惑の中で生活さえしなければなりません。しかし私たちは、誘惑の中で罪に陥ってついには滅んでしまうことがないように祈るのです。それゆえ、天のお父様に頼って心からこう願うよりほかに助けはありません、「愛する天のお父様、あなたは私が祈るように命じられました。私が誘惑の中で罪に落ち込まないようにしてください!」。
(マルチン・ルター、宝石箱)


悪い者から救ってください。(マタイによる福音書 6章13節後半)

「主の祈り」に神様は私たちが陥りうるあらゆる苦難を要約してくださいました。それは、私たちが祈りを怠る場合に理屈をつけてそれを正当化できなくするためです。また、私たちが「祈りはすでに聞かれており、いつか必ず実現する」と信じて、祈りに「アーメン」と言えるようになることも、力を与えます。揺るがない信仰は祈るときに風を切るような真似はせず、私たちの祈りを聞いてくださると約束された神様が決して偽りを言われないことを知っているからです。
(マルチン・ルター、宝石箱)

マタイによる福音書 6章10節

御国が来ますように。(マタイによる福音書 6章10節)

自分の力に頼るとき悪魔の王国に加担せずにすむような者はひとりもいません。それゆえ、皆が「あなたの御国が来ますように」と祈るべきです。神様の御国はこの世で始まり大きくなっていきますが、それが完全になるのは永遠の世においてです。預言者ゼカリヤが素晴らしい言葉で描いているように、キリストの御国において働いてくださっているのは、恵みと祈りの御霊です。御霊は、信仰者の心に住んでおられ、父や御子と共に話しかけ、働きかけ、慰めて、罪や死や悪魔の力に打ち勝つための忍耐を与えてくだいます。
(マルチン・ルター、宝石箱)

マタイによる福音書 6章9節

天におられるわたしたちの父よ(マタイによる福音書 6章9節より)

この御言葉を信じて
「われらの父よ」と正しく祈ろうと努めるのがどれほど難しいか、
試練の中であなたは気が付くことでしょう。
それが難しいのは、
この御言葉が確固たる力強い真理ではないためではありません。
私たちがあまりに弱く、御言葉に頼り続けることができないからなのです。
本来なら、私たちはこの御言葉に、
鉄やダイヤモンドのような手と心でしっかりくっついているべきなのです。
残念ながら私は
心から「われらの父よ」と言えないことを経験により知っています。
そして、この御言葉を完全な態度で言える人は地上にはひとりもいません。
それでも私は心からそう言えるように努め、
幼子のようにおしゃぶりを吸いはじめます。
私はこの御言葉を十分には信じることができません。
しかし、それを嘘よばわりして否定したくはありません。
(中略)
私は毎日この「主の祈り」とキリストの説教を
ワンセットにして読めるようになるまで
声に出して読む練習をしています。
どういうやり方であろうと、
つっかえながらのもごもご声であろうと、
何かしらは唱えることができるように、
神様、私を助けてください。
(マルチン・ルターの旅のお弁当)


御名が崇められますように。(マタイによる福音書 6章9節より)

神様の御名はそれ自体聖であり、私たちが聖とするものではない、ということに注目しなさい。なぜなら、神様の御名はすべてを、私たちさえをも、聖とするからです。聖キュプリアヌスも言っているように、私たちは御名を自分自身においても聖とするべきです。なぜなら、そのとき神様がすべてとなり、人間は取るに足りない者になるからです。これが実現するのは、神様の御言葉について純粋かつ明瞭に教えがなされ、私たちが神様の子供として御言葉の通りに信じ、正しく生きるときです。私たちがこのように信じて生きるように、愛する天のお父様、助けてください!しかし、神様の御言葉に反対して教えまた生きる者は、神様の御名を私たちの只中で汚すことになります。私たちがそうならないように、愛する天のお父様、守ってください!
(マルチン・ルター、宝石箱)

ルターの著作の翻訳者 高木賢(フィンランド・ルーテル福音協会)
このサイトに引用されているのは聖書新共同訳です。
聖書 新共同訳:(c)共同訳聖書実行委員会

Executive Committee of The Common Bible Translation
(c)日本聖書協会 Japan Bible Society, Tokyo 1987,1988

マルティン・ルター
1483年~1546年
神学者、牧師
宗教改革の創始者