ローマの信徒への手紙 8章13節
肉に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。(ローマの信徒への手紙 8章13節)
ここでパウロが言っているのは、クリスチャンの中にもまだ殺すべき肉、言い換えるなら、神様の御命令に反抗するあらゆる誘惑や欲望が残っている、ということです。これらは人間の性質の中で活発に活動し、パウロが「罪のわざ」と呼んでいる様々な罪へ人間を陥れようとします。「罪のわざ」とは、不信仰な考え、疑い、肉的な欲望を悲しまない心、神様を畏れない傲慢さ、神様の御言葉と祈りに対する冷淡さと鈍さ、苦難の中での忍耐不足と不平、隣人に対する憤懣、復讐心や嫉妬や怒り、貪欲、姦淫などのことです。これらの罪の傾向は人間の性質の中にあるため、それらは人間の中でたえず活動し、人間を誘惑へとそそのかしています。御霊は肉を殺してくださるためには、まず、人は自分の罪を告白しなければなりません。そして、罪深い欲望が自分の中で動めくのを感じる場合には、心を落ち着かせて神様の御言葉を思い起こさなければなりません。また、それらの罪と戦うときには、罪の赦しを信じて自分を強めなければなりません。
(マルチン・ルター、宝石箱)